[The Cinema] My Blood Is Full of Airplanes
まずはイチオシ曲:
2 : The Wolf
シングル曲。落ち着いたピアノサウンドのヴァース(Aメロ)から徐々にリズミカルなコーラスへ。
レビュー:
2011年に結成されたアメリカの2人組インディーポップデュオ[The Cinema]による
2011年リリースの1stアルバム。
[Lydia]のボーカリスト、Leighton Antelman が参加しています。
作曲自体はもう片方のメンバー、当時[Lydia]のプロデュースも務めていた Matt Malpass が担当していると思われます。
サウンドイメージは基本的にリズミカルで明るめですが、ストレートに完結させないメロディが非常におしゃれ。
わざとはずしてくるが、上手くまとめるコード進行やメロディライン。
構成変化時のサウンド変化や抑揚も良い。
キラーチューンに該当する曲は少ないですが、全体的にソングライティングレベルが高いです。
楽器はピアノとエレクトロサウンドがメインのポップな構成。
曲ごとに様々な音色を使っていますが、バランスが素晴らしいです。
ベースやドラムのリズム隊は深めで重めですが、軽めのパーカッションもバリエーション豊かにビートを刻みます。
ヴォーカルは[Lydia]でも歌っている Leighton Antelman が担当していることもあり、何も問題ありません。
このバンド特有のメロディに合わせてほんの少し明るめな感じがします。
ちょっとアンニュイでねっとりとした特有の声質に加え、
[Jack’s Mannequin]の Andrew McMahon ばりのタメやズラしが情感を増幅させます。
熟練のヴォーカリストと才能あるソングライターの組み合わせによる質の高いアルバム。
ポップでエレクトリックだが直線的ではなく、おしゃれ要素が高い。
こういうサウンドを求めていた人もいるのではないでしょうか(私もその一人です)。
他のおすすめ曲
1 : Satellites
シンセサイザーと電子サウンドを駆使したポップでリズミカルなトップトラック。
4 : Say It Like You Mean It
隠れたおすすめ。明るめ不思議なイントロ、ヴァースから普通の流れの構成かなと思いきや、このサビかぁ。必聴です。
6 : Kinetic
こちらは伸びやかにビートを刻む、爽やかさすらあるストレートめな1曲。キャッチーで聴きやすい。